【料金設定】30歳の男性フリーバイオリン奏者を理想の月収から逆算してみる
まあ大抵の場合、月収30万あれば不自由なく食べていくことができ、結婚に踏み切ってもいいという男性が音楽家にも一般人にも多いです。一般人はこれにボーナスが付くので年収450万くらいかな?
僕の場合、この数値はどうでもイイし、大幅に下回ったり大幅に上回ったりします。安定はあとからきっとついてくるものと思っているので目標でも何でもないですが、30歳の男性フリー演奏家を理想の月収から逆算してみます。
普通はレッスンが1回〇〇円だから、何回レッスンすれば目標額になるかを考えますが、音楽家は特殊な仕事で、最近は低価格化に歯止めがききません。
プロの若手演奏家のほとんどが、付加価値をつけない。言い方が酷いけど、日雇い労働者よりも安い料金で仕事をしている。もう歯止めがきかないよ。末期症状。 https://t.co/MoIJO5Kzer
— 松本一策🎻 (@issaku_m) 2017年12月8日
付加価値の考え方もいろいろだけど、クラシックバイオリン奏者に絞って考えるなら「高級な楽器で楽譜通りに弾ける」ことに付加価値なんかほとんど無い時代って事になる。だってみんな出来ることに希少価値なんて無いものな。
— 松本一策🎻 (@issaku_m) 2017年12月8日
ここはあえて、逆算します。
弾けること、演奏技術を教えることが付加価値として考え、
レッスン料や演奏料が適正価格なのはいくらかなのか。。。
企業の給料は普通この考え方ですよね?
僕のようなアレンジやったりコンマスやったりアドリブやったりイラスト書いたりする特殊な稼ぎ方ではなく、ごくごく一般の奏者がやる仕事で目標金額を設定します。
収入額を仮定
- レッスン 50%=150000
- 演奏 50%=150000
合計30万円
レッスンで15万円
レッスンは普通の人は外の経営(ヤマハさんとか個人のレッスン用借部屋)で行います。なので仲介料を含めて考えますね。
- 教室は居宅外で他人の経営
- 20人の生徒
- 週に20人見るには3〜4日必要。
- 1人から7500円の月謝を得る必要。
- 教室は仲介料をどうとるか。
- 普通は6:4なので教室は5000円の仲介
生徒は月に12500円のレッスン料を払うべき。
20人は結構集めるのが大変。
先生と教室は死に物狂いで生徒を集めるべき
もし教室がそんなに営利が必要無いのなら仲介料を2500円に下げて生徒に10000円で提供すればいい。人数が増えれば収入が増えるのは先生も教室側も同じ。
生徒が増えるごとに仲介料を下げるとかね。
先生も昼間とかレッスンしていない時間に集客をすることは必須です。
レッスンの仕事を増やしたいなら当たりまえ。
演奏で15万円
ほんと最近のイベント演奏料は安いです。
リハーサルやゲネプロの拘束時間を含めて
演奏時間1時間で10000円とか。
その場だけで弾いてその額ならいいけど、
普通のイベントは準備にこそ時間がかかるものです。
芸に携わる人。仕込みが9割です。
— いっちゃく🎻 (@issaku_m) 2017年12月10日
演奏時間で算出するとか、
そんなアホなこと、
ありえません。
同じことをあなたの会社の社員にやらせることができますか?
と言いたい。
そんな安月給で食べていけるわけない。
まさにブラック企業。
なので、依頼企業からすればめっちゃ高いと思われても仕方がない額になりますが、普通はこのくらい払うべきという額を算出します。
結婚式、イベントなど
- 基本的に土日にしかない。
- ヴァイオリンなど、演奏に集中力がかなり必要なので1日に何度も演奏できない
- レッスンのようにこちらが営業はできない。
- 最高でも月に6〜8回くらい。
- 7回あるとしたら1回23333円
- 5回くらいとした1回30000円
つまり日給25000〜30000円
1日の中での演奏回数は30分×4くらいが限度です。
拘束時間も考えると、だいたい10000~15000の謝礼は技術を持たないアルバイトへの謝礼ですね。
プロのオーケストラには定期演奏会というものがあり、
交響曲や協奏曲など、技術やアンサンブルの難しい曲を何曲か演奏して休憩を含んで必要な時間が大体2時間+αです。
経験上ですが、ものすごいへとへとになります。
それ以上は質は保証できません・・・
ちなみに「一般」のプロオーケストラの定期演奏会は
4~5日拘束で時間にして30~40時間。
自主公演は資金繰りも難しいため
謝礼は30000円~多くて40000です。
エキストラ奏者はいわば立場の弱い契約社員。
オーケストラ正団員の厳しい目を気にしながら演奏します。
練習などにはそれ相当のエネルギーが必要ですので
実際はもっと時間が必要になってきます。
リハーサルの前後にレッスンを入れることは可能ですが、
オーケストラ側がそんな適当な仕事でいいのなら
じゃんじゃん入れますが?
・・・・・・
そういうことです。
30000円とは、拘束時間を含めるとほとんどコンビニの時給と変わりません。ここに技術料としての付加価値を入れて初めてギャラになると思うのです。
ただ、どれだけ企業努力をしても読売交響楽団のような大きなスポンサーがないかぎりお金は捻出できないので、ここはどうしようもないと思います。
以上です。
お分かりいただけましたでしょうか?
仲介に仲介を重ねた仕事は問題外ですねw
僕は基本的に10000円以下の仕事はお断り。
拘束時間が少しでも多くなる場合は15000円以上は請求します。
でないと家族を養えません。
お金を捻出できないオーケストラはともかく、
依頼企業さんはぜひ、依頼者の家族のことを考えて
適正価格で依頼してほしい。
切なる願いです。
余り時間
レッスンは朝か夕方が多いです。
演奏は平日夜か土日昼間です。
つまり平日の昼間は比較的ヒマです。
その時間何やればいいのか!?
当たり前ですが
- 練習
- 営業
です!
練習
1日1~2時間(毎日)やれば技術の安定と大抵のノルマはこなせるはず。
これでこなせないのであればプロじゃないでしょ。
基本的に演奏技術が低すぎます。
月収30万なんて夢見てないで普通の仕事をするべき。
営業
演奏の依頼営業はかなり特殊で会社のお偉いさんとかコネクション力が必要になってくるので一般的ではないです。
ただ、レッスンの営業はだれでも出来ます。
チラシを作ってばらまけばいいだけです。
いつもお世話になっている楽器店や
高級住宅街のポストに一軒一軒チラシをまく。
企業ならだれもがやる営業です。
「教室に生徒が集まらなくて・・・」
なんて言っている人がかなりいますが
それはあほかと思います。
教室の力なんてアテにしたっていいことないです。
自分で見つけなきゃ。
効果はすぐに表れると思います。
自分のレッスンしている教室とタッグを組んで頑張れば
月収15なんてすぐですね。
理想のスケジュール
平日の昼間にもレッスンや演奏ができるといいのですが
なかなか難しい方のほうが多いと思います。
一般的にはこんな感じがいいのかなと思うスケジュールです。
仕事の都合上、土日が右に来ます
ちなみに僕は
えらそうに言っていますが、
理想を語るということはまだ達していないということ。
レッスン少な目で演奏多め(2:8くらい)です。
どちらかというと演奏で食べていきたいため、結構苦労してます。
ちなみに営業(演奏やレッスン以外の時間)は
上の表よりもよっぽど多いです。
だいたい夜な夜な楽譜作ってるだけですけど。
居宅営業である楽譜づくりや音源づくりなど、
直接お金にならないことばかりやってます。
めっちゃ夜中に食い込んでます。
まとめ
たとえ演奏料が理想通りにいかなくても、ある程度の許容範囲で何とかなりますね。依頼者側も必死の営業をしているはずなので、あまり額を高くするのも失礼に当たりますし。
ある程度社会性のある並みのバイオリン奏者でしたら
30万くらいなら直ぐに行けるはずです。
要は、営業(演奏や教えること以外)をすればいいんです。
あと、これに普通は税金を足します。
これ結構大事。
追伸:
僕が今受けている仕事のクライアントは
凄くしっかりして色々考えてくださってます。
これには感謝しかありません。
僕も誠心誠意しっかりやりたいと思います。
でもちょっと12月きついなぁぁぁ
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コメント
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凄く参考になりましたm(..)m
ありがとうございます