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ヴァイオリン・ヴィオラの重音奏法について
これを弦楽器3人で演奏するときは、
— 松本一策🎻 (@issaku_m) 2018年1月15日
重音を極力減らしたほうが生の音がよく響き混ざるあるある。
ヴァイオリンは重音を演奏すると、互いの音が混ざりにくくなるんです。
重音奏法は自分の出す2つの音程を調整するのに必死になって微妙な調整ができないからです。 pic.twitter.com/7xUlUodMOs
作業中に投稿したツィートがクリエイターの皆さんを中心に回っているので、
補筆しておこうかなと思いました。
ドビュッシーの海の第1楽章 最後の部分
編成はニュートンズ
- ヴァイオリン
- ヴィオラ(またはヴァイオリンを担当:管理人)
- ベース
- ピアノ
- ドラム&パーカッション
ドビュッシー作曲 交響詩「海」をアレンジしました。
ヴァイオリンとヴィオラの重音の配置について簡単に論議していきます。
default,最初施したアレンジ状態
素直なアレンジです。
重音を上2つ、下2つに分けただけです。
コレだけでも演奏は可能です。
メリット
単純にアレンジ時間が少なくて済む
デメリット
意外に鳴りにくい。奏者を倍にすれば問題ないが、フラットも多いので技術的に音程を安定させる必要があり、緻密な音程処理に欠ける。練習してから弾かないといけないため、演奏に対してロスタイムが生じる。音質的に混ざりにくい。
Vnを楽にする,Vnの重音をカットする場合
ヴァイオリンは下の音をカット。
ヴィオラの重音配置を変えます。
3度ではなく6度にしてもイイですが、響きがだいぶ変わってしまい密集の和音の動き感が損なわれます。
メリット
ヴァイオリンが重音でなくなるため、メロディラインがくっきり出ます。音程も安定しやすくなり、和音の校正も大きく変わらないため原曲に近い状態が望めます。単音ですと音量を小さくしやすいという点もポイント高いです。ヴィオラの重音は内声のため少し不安定でも生で聞く場合は不安要素にはなりにくいです。
デメリット
1小節目のヴィオラの6度の和音は演奏しやすいのですが、少しメロデラインと離れており、浮いた感じになると思います。
本来なら3度の和音にしたいのですが、この場、僕のようなヴァイオリニストが初見で弾くと不安定になりやすい配置になるため、自演の不安要素を除くために6度にしてあります。
弾きやすい重音,5,6,8度に配置換えして交差させる
おそらくデフォルトに最も近い音になる配置。
音も交差するので混ざって安定しやすい。
メリット
何といっても6度や解放弦を使った重音のため、奏法上弾きやすいです。「ff」で力いっぱいに演奏する場合はこれが一番でしょう。
デメリット
「pp」弱音には不向きです。
あとヴィオラのオクターブが個人的に嫌いです(笑)
メロディラインは浮かびにくいかも。
初心者用,全員単音で
楽です。
でもたぶんちょっと物足りないかも・・・
いかがでしたでしょうか?
以上、弦楽器プレイヤーの視点からのアレンジでした。
ちなみに、2小節目は本来 E♭♭ で書くべきなのですが、
弦楽器の演奏上は D で書いたほうが奏法上も転調の感じもでて非常に楽なのでしっかり記譜します。このほうが、ほんと楽。
楽なことはいいことがたくさんあります。
- 初見で弾ける
- 音が鳴りやすい
- 作編曲家さんが奏者に好かれる
時間ができたら、実際DAWに放り込んで
生音で実験してみますね。
期待しないでお待ちください。
それでは!
実際に検証しました!!(1/19)
追記
ありがたいRTが!!
素晴らしい記事。
— Klang (@Klang0812) 2018年1月15日
僭越ながら附則させていただくと、ドビュッシーのオリジナルはホルン(とバソン)のハーモニーです。その暖かみと広がり(あと粘りけ)を表現するには重音をヴィオラにするのが最良と考えます。
海の三曲目の最後は嵐から太陽が昇るシーン…一策さんの版、聴いてみたい(*´꒳`*) https://t.co/2osO8b0F8K
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